4月11日に発表された「計画的避難区域」の設定は、従来の同心円型とは異なる形になりました。
事故発生以来、「避難区域」は事故の起こった原子力発電所から半径20キロメートル以内、「屋内退避区域」は半径20キロメートルから30キロメートルの間というように、対策区域は同心円状に設定されてきました。放出された放射性物質の分布は地形や風向きなどの影響で均一ではないと考えられますが、同心円状に設定されてきたのは、どうしてでしょうか。
事故の直後、放射性物質の分布を予想するのに必要な情報が限られている中、しかも迅速に判断をする必要がある状況で、緊急的に同心円として対策区域が定められた−−というのがその理由です。
地面の放射性物質の量や、放射線の強さの分布に関する情報が得られた段階では、同心円にこだわらず、適切な対応が取られることになります。その考え方に添って、11日の「計画的避難区域」は設定されました。 |